「安心ゆいごんの会」で「安心ゆいごん教室」開催
福井市の私、越前市のベテラン男性行政書士の三田村先生と「安心ゆいごんの会」を立ち上げました。福井市はアオッサ会場、越前市は市役所1階の生涯学習センターで10名定員で行います。
「安心ゆいごんの会」は、遺言を広め、未来を考える社会づくりに貢献することを目的に、
- 遺言のわかりやすい説明が聞ける
- 遺言の内容の相談ができる
- 自分でできない方は、公正証書遺言の起案、手続き、証人までお任せもできる
で、実際のところかなり商売っけのない活動です。
三田村先生は相続手続きに強い先生です。行政書士会主催の相談会でもご一緒になることも多く、遺言の大切さを実感しているので、遺言を広めるために活動団体を作りました。当面は2名で活動します。
三田村先生は「相続手続きについて」、私は「遺言書のつくり方」を少人数の参加者にお伝えします。三田村先生は福井市の駅前から最近、自宅のある越前市に事務所を移転しました。地域貢献も兼ねての企画です。
以前のような大人数で行う講演と違い、少人数だとお話しやすい!
それに、実際の(又はサンプルの)自筆証書遺言、公正証書遺言、相続で必要な戸籍の束、遺産分割協議書、法定相続情報一覧図、不動産登記簿などをお見せするので、とてもわかりやすくイメージしやすいようです。
いつまで続くかわかりませんが、頑張っていきます。
以下、福井新聞への取材のプレスリリースです。最近の現状はこんな感じです。
●自筆遺言の保管制度開始から5年目に突入、福井市&越前市で「ゆいごん教室」●
遺言に強い女性行政書士(福井市)と相続手続に強いベテラン男性行政書士(越前市)が
「安心ゆいごんの会」を結成し市民・福祉関係機関等に各地で“ゆいごん”教室を開始
自筆証書遺言の保管制度が5年目に。意識は広がるが不安な遺言も増加。7月22日(月)福井市、8月に越前市で安心な遺言作成のセミナーを開催。
自筆証書遺言の保管制度が開始して丸4年がたちました。7月からは5年目に入ります。コロナ禍による死生観の変化もあり、遺言が身近になりつつあります。自筆証書もですが、公正証書遺言も1.5倍近い増加がありました。自身のことは自身で決める、という意識も高まり、女性であっても自分の財産の行き先を考えるようになりました。子供がいない(遺言がなければ相続時は配偶者ときょうだいや甥姪らで協議が必要)、疎遠な人も増えています。最近の傾向では公益法人への遺贈など、自分の想いを託す方法と考える人も増えています。こうして、相談会でも多くの方が「遺言の書き方を教えて欲しい」といらっしゃいます。
しかし、実態は新しい相談、トラブルが増えています。最近では“紀州のドン・ファン”こと野崎幸助さんの遺言書の裁判もありました。自筆証書は手軽な分、不安要素も強いのです(お金があるから裁判もできたのですが)。公正証書遺言であってもせっかく作成したのにリカバリー案件が増えています。
福井市役所や越前市役所などで一緒に終活相談対応をしている相続手続に強いベテラン男性行政書士と日頃様々な問題点を話し合っていました。6月から男性行政書士が福井市から地元越前市に事務所を移転することとなり、それなら安心な遺言を広める為に市を超えて、まずは福井市と越前市で少数の参加者での教室を開くための会を発展的に発足させました。
4年前に自筆証書遺言の書き方セミナーを開催したときは、60件もの応募があり個別対応が出来ず、しかも市外の高齢者から「なぜ地元で開いてくれないのか」「もっと便利なところで」などの要望もありました。その後の社会の変化や自筆証書と公正証書の使い分けの重要性の実感、福井市と市外の求める遺言内容の違いもあります。
遺言には「正解」はないのです。3年前の母親の死で本来プロなら助言しない「不動産を子供三人に平等に相続させる」遺言の存在で、かえってきょうだいの結びつきが強くなりました(子供がいるのが一人だったことも、契約の専門家がいることもあり)。遺言は奥が深い。遺言執行者をすることで「争続」はお金が原因なだけでなく、愛情の奪い合いでもあることを感じています。
そして、この4年間で以下のような問題が増えました。
- 遺言がない為に困るケースのバリエーションが増えている
相続人に認知症など判断不十分者が増えて遺産分割が難しいケースが増えてきました。重度の知的障害のあるお子さんがいる場合も大変です。子供がいない場合は必須。子供の立場がそれぞれ違うなど、家族関係が複雑な場合も。資産の大小より家族が置かれた現状の方が作成の必要性の有無の判断では重要です。 - 間違った遺言、残念な遺言で本人の意思が実現できないケースが増えている
形式は満たしても「〇〇にまかす」など法律用語が使われていない、誤っている、
財産の特定が不正確、執行者の指定がないため法定相続人の実印を求められる、本人の真意によるか、作成能力があったかなど(ほぼ)自筆証書遺言に特有の問題。公正証書でも遺留分のことを考えていない(又は侵害額請求をされた場合の対応を考えていない)、遺言執行者と連絡がとれなくなった、予備的遺言がないため相続させたくない人に相続、付言の内容でトラブルやリカバリー、成年後見や介護サービス等を知らない為に疎遠な親族に多くを委ねようとする内容など。公正証書でも本人の理解不足で残念な内容となっている場合もあります。 - 自筆証書遺言が広がることで、今後は遺言は「自分で書かないと作れない」と思い込む人が増えている。(公正証書遺言との使い分け、信託銀行とは異なり意外と手軽な士業などの専門家の活用)
- ネットや書籍の断片的な情報の氾濫
これらのことも踏まえ、私たち二人を中心に、様々な心ある専門家と連携して会を運営していきます。現在福井市と越前市のみの予定ですが、将来は嶺南等の県内全域に広げていければと考えています。